前回「投資のリターンとリスク」の話をしましたが、今回は投資先選びのポイントについて話していきたいと思います。

本来ならば、投資のゴール(期間と目標金額)を決めてから、必要なリターンを算出し、これを達成できるように
債券、不動産、株式など代表的な資産の組み合わせを決め、その後に具体的な銘柄を決めるのがセオリーですが、
投資初心者の方は、ある程度がっつり稼ぎたいと考え投資を始められる方が多いため、今回は株式に絞っていきます。
なお、債券は発行体毎のリターンが大きく変わらず、また基本的には満期まで保有することになるため面白味(笑)に欠け、
不動産は物件価格が高すぎて分散投資がしにくい(注)という点で初心者向きではない、という面もあります。
(注) 不動産投資がしたいという初心者の方は、少額分散投資が可能なREITや投資信託から入るのが現実的です。

さて、株式投資で最初に悩むのが、「数千もある銘柄から、どれを選べばいいのか?」という点です。
短期的な値動きは別にして、長期的な視点で投資をするなら、難しく考えすぎず、まずは次の4つを確認してみましょう。

1. 事業内容
最も大切なのは、どういう事業で稼いでいるかを自分の言葉で説明できる会社を選ぶことです。
普段使っている商品やサービスを提供している会社は、イメージしやすくお薦めの出発点です。
株主優待と言って、会社が株式を保有している人に無料/割引チケット・製品等を配布するところもありますので、
ご自身の生活に役立つ株主優待がある会社を探す、という観点から入ってみるのも良いかもしれません。

2. 業績の成長性・安定性
次に、会社の稼ぐ力が持続的に成長しているかを確認します。
具体的には、損益計算書の売上高と利益が、数年単位で右肩上がりになっていると良いです。
逆に、一時的に好調でも、年によって大きく業績が上下する会社は、株価の値動きも荒くなりがちです。
業績は、会社のIR(投資家向け情報)ページのほか、証券会社やYahooなどでも確認できますが、
会社のIRページを探すのは煩雑なため、証券会社や情報提供会社の検索ページを使う方が楽です。
私個人は、IRBANK(特にβ版)が、情報が豊富かつ必要な情報にたどり着きやすいため活用しています。

3. 財務の健全性
次に、不況時や危機時にも耐えらえる体力がある会社かを確認します。
具体的には、貸借対照表の総資産に対する自己資本の比率(自己資本比率=純資産or株主資本÷総資産)を見ます。
自己資本比率は、高いほど会社の経営が安定的であることを示しており、自己資本比率が低い場合には
一般的に借金が多いことを示し、経営状況としては不安定と言えます。
金融機関を除く事業会社では、自己資本比率が20%以下になっていると注意が必要です。
自己資本比率も自分で計算するのは面倒ですので、証券会社や情報提供会社のサイトで確認しましょう。

4. 株価の水準
最後に、現在の株価水準を確認します。
いくら良い会社でも、高すぎる価格で買うと損をすることがあります。
そこで、目安となる代表的な指標は次の2つです。
PER(株価収益率=株価÷1株当たり当期純利益)
 利益に対して株価が何倍かを示す指標で、低いほど現在の株価が割安とされます。
 業種によって期待成長率が違う=PERの水準が異なりますので、同じ業種の他社と比較するのがコツです。
PBR(株価純資産倍率=株価÷1株当たり純資産)
 会社の資産に対して株価が何倍かを示す指標で、1倍を下回ると現在の株価が割安とされます。
 ただし、会社/業界の先行きが暗い場合にも1倍を下回ることがあるので、こちらも同業他社と比べてみましょう。
PERやPBRも自分で調べて計算するのは大変なので、証券会社や情報提供会社のサイトでご確認ください。

以上、選び方の簡単なポイントを記載しましたが、どれだけ調べても、将来を完全に予想することはできません。
そこで、1つの銘柄に集中せず、複数の会社や業種に分けて(分散投資)、少額から始めましょう。
銘柄選びに自信が持てない間は、市場全体に投資できる投資信託(特にインデックスファンド)を
上手く活用することも有力な選択肢です。