今回は会社の類型の第4回、最後の形態となる合同会社についてです。
これまでの合名会社、合資会社、株式会社は旧商法時代から存在する会社形態なのに対し、
合同会社は2006年施行の会社法で創設された比較的新しい会社形態です。

合同会社はアメリカのLLC(Limted Liability Company)をモデルとして導入されましたが、その特徴を一言で表すと、
株式会社と合名・合資会社のハイブリットというところでしょうか。
合同会社の社員は株式会社と同じく全ての社員(出資者)が有限責任なので、無限責任社員がいる合名・合資会社とは対照的です。
一方で、株式会社は所有と経営が分離していますが、合同会社は合名・合資会社同様に社員が経営を行う、所有と経営が一体の会社
(持分会社)です。
このため、株式会社よりも設立が容易で、設立後も柔軟に組織運営をすることが可能な会社形態と言えます。
例えば、株式会社では株主は出資割合に応じて、利益分配や議決権分配をしなければなりませんが(株主平等原則)、
合同会社では出資割合に関係なく、自由に定めることができます。

このように設立が容易で運営自由度の高い合同会社は、設立コストも低いため、旧有限会社のような小規模事業の法人化だけでなく、
大企業や大学の新事業、共同事業、ベンチャーなどでも利用されるほか、外資系企業の日本法人も合同会社を利用することが多いです。
Google、Apple、Amazonなど誰もが知っている有名企業の日本法人も、株式会社から合同会社に組織変更しています。
2025年の合同会社の会社設立数(法務省「登記統計」)は4万5千社と、株式会社(10万社)に次いで多く(合名・合資会社はわずか十数社)、
現存社数も21万5千社と7.2%を占め(国税庁「会社標本調査」)、歴史の古い合名・合資会社の合計よりも遥かに多い会社数となっています。

ちなみに、合同会社と似たような機能を持つ有限責任事業組合(LLP)が2005年に創設されていますが、
こちらは民法の組合を基礎としているため、法人格は持たず、法人税も組合員に直接課税される点で合同会社とは異なっています。
政府は共同研究での利用を期待していましたが、法人格を持たないことから、研究施設や機器などの所有ができないという欠点があり、
合同会社の方が利用しやすいように思います。

今回は、有名テック企業なども利用している合同会社に関する説明でした。