本日は企業会計の概念の第2回です。第1回目で少し触れた損益計算書について、お話ししたいと思います。
英語ではIncome Statementと呼ばれることが多いですが、昔からProfit & Loss Statementとも呼ばれており、
日本の現場では一般的に、P/L(ピーエル)という略称が使われています。

会社は、事業により儲け(利益)を出して、出資者に配当金を分配することを目的に設立されていますが(「会社とは」参照)、
この儲け(利益)、つまり経営成績を共通言語(様式)で説明するのが損益計算書です。
損益計算書の様式は、法規により定められており、例えば会社法(会社計算規則)では以下の様式となります。

①売上高
 ②売上原価
 ③売上総利益(①-②)
 ④販売費及び一般管理費
 ⑤営業利益(③-④)
 ⑥営業外収益
 ⑦営業外費用
 ⑧経常利益(⑤+⑥-⑦)
 ⑨特別利益
 ⑩特別損失
 ⑪税引前当期純利益(⑧+⑨-⑩)
 ⑫法人税等
 ⑬法人税等調整額
 ⑭当期純利益(⑪-⑫-⑬)
販売した製品・商品の代金や提供したサービスの対価
販売した製品・商品の原価で、仕入や製造に要した費用
製品・商品販売による利鞘(マージン)、「粗利(あらり)」とも言われます
運送費などの販売費と人件費、事務所費などの管理費、「販管費」とも言われます
事業活動によって獲得した儲け(利益)
配当金などの投資収益、利息などの金融収益、為替差益、その他本業以外の継続的な収益
借入利息などの金融費用、為替差損、その他本業以外でかかる継続的な費用
企業の通常活動全体での総合的な儲け(利益)、「けいつね」とも言われます
本業とは関係なく一時的・偶発的に発生する大きな利益(例えば、工場の売却益など)
本業とは関係なく一時的・偶発的に発生する大きな損失(例えば、災害損失)
税金を支払う前の利益、略して税前利益とも言われます
当期の利益に係る税金(法人税・住民税・事業税など)
会計上の利益と課税所得の一時的なズレの調整
会社の最終的な儲け(利益)

いかがでしょう、イメージが湧きましたでしょうか?
最終的な利益がいくらだったか、ということだけでは、出資者などが経営成績を正しく判断できないため、
どのような過程を経て利益が出たかを表す資料が必要となりますが、それが損益計算書です。
例えば、同じ赤字でも、売上総利益や営業利益の段階で既に赤字なのと、経常利益は黒字であるにもかかわらず
特別損失により当期純利益が赤字になったのでは、意味合いが大きく異なります。
また、たとえ当期純利益が黒字であっても、営業利益が赤字であれば素直に喜べず、会社の将来が心配になりますよね。

ちなみに、日本の会社法上では上記の様式ですが、外国では別の様式が定められています。
例えば、日本でも数多くの会社が採用している国際会計基準(IFRS)では、特別利益や特別損失の項目はありません。
また、営業利益に関しても今は必須開示項目ではありません。
2027年1月1日以降は、国際会計基準でも営業利益が開示項目になりますが、会社法の営業利益とは少し中身が異なります。

会社の出資者は、会社に投資したお金で事業活動が効率的に行われ、その儲けから配当を得ることを期待していますので、
上場会社の決算発表などでも損益計算書の各項目について、前期と比較して増えたのか、計画として比較してどうだったかを説明しています。
ご自身が勤めている会社(非公開かもしれませんが)や関心のある上場会社の損益計算書を一度見てみると、面白いかもしれません。

次回は、損益計算書と双璧をなす、重要な会計書類である貸借対照表について説明していきます。