今日のテーマは「法律」です。
日常生活にも経済にも密接に関係しているものですが、今回はそもそも法律とは何かを考えていきたいと思います。
法律とは、社会の秩序を維持するために、統治者や国家が定めて国民に強制する社会規範(ルール)です。
ルールといえば、「道徳(マナー)」も思い浮かぶかもしれません。法律との違いは統治者や国家による強制力を伴うかどうかです。
電車で「お年寄りや体の不自由な人に席を譲る」ことは、電車内にも明示されているルールではありますが、
法律ではありませんので、警察に逮捕されたり、罰金を払ったりすることはありません。

また、法律と似たようなものとして、「憲法」を思い浮かべる方もいるかもしれません。
憲法は、国家の統治権・統治作用に関する根本原則を定める基本法で、言わば、国の設計図に当たり、
憲法は法律などで変更することのできない最高法規とされています。
言うなれば、法律は国民を縛るルールなのに対し、憲法は統治者・政府を縛るルールです。

第二次大戦中の日本にも憲法があったのに、政府や軍はやりたい放題で、国民は無視されていたのでは?と思われるかもしれません。
この疑問は正しく、同じ憲法でも大日本帝国憲法(明治憲法)と今の日本国憲法は大きく異なっています。
最大の違いは、大日本帝国憲法では、主権者は国民ではなく天皇であり、国民は法律の範囲内でのみ人権が認められていたことです。
現在の憲法で、基本的人権を侵すことができない永久の権利として定義しているのとは対照的です。
ちなみに、大日本帝国憲法では、天皇による君主制を前提としたことで、内閣(政府)や議会(国民の声)の権限が曖昧でした。
軍の統帥権が内閣ではなく天皇にあったため、天皇の名のもとに暴走する軍を内閣(政府)は止めることができず、
また、大臣は議会ではなく天皇に責任を負う仕組みでしたので、議会(国民の声)は政府を止める力を持ちませんでした。
そして、そもそも、大日本帝国憲法は天皇が与えた(制定した)ものでしたので、事実上改正は不可能であり、
政府や議会が上記のような、憲法の欠陥に気がついたとしてもそれを修正することは困難でした。
とはいえ、当時の日本政府や軍も、ナチス同様に国民の支持を受けていたと考えられるので(言論統制があり実際のところはわかりませんが)、
仮に今の日本国憲法と近い憲法が制定されていたとしても結果は変わらなかったかもしれませんが・・・。

かなり話がそれましたが、今の日本の法律は、国民が定める憲法に違反しない範囲で国民を縛るルールということになり、
間接的とはいえ、国民自らが国の秩序を維持し運営するために定めたルールですので、守らなければならないものになります。