今回は久しぶりに「お金の話」の第6弾として、投資のリターンとリスクについて考えていきたいと思います。
第5弾の「お金の管理と投資」にて、時間の経過によるお金の価値の下落に備えて、
時間経過に伴い価値が増える資産に交換しておく、そのような投資の視点も不可欠という話をしました。
いざ投資を始めようと思ったときに、最初に知っておきたいのが「リスク」と「リターン」の関係です。
「リターン」とは、投資で得られる利益のことです。そして「リスク」とは、「危険」というより、結果が予想から「ぶれる幅」を意味します。
例えば、預金は元本が守られやすく安心ですが、もらえる利息は(最近増えてきたといっても)僅かです。
一方、株式は長い目で見ると預金に比して大きな成長が期待できますが、短期間で見れば値下がりすることもあります。
つまり、大きなリターンを狙うほどリスクも大きくなる、というのが投資の基本ルールです。
さて、投資における代表的な3つの資産のリスクは、一般的に「債券」<「不動産」<「株式」の順に大きくなります。
リターンの期待値も、おおむね同じ順で高くなります。
債券は、国や企業などにお金を貸す仕組みです。
満期まで持てば元本と利息を受け取れるため、値動きは比較的穏やかでリスクは低めですが、
発行元が破綻すると戻ってこない可能性もあります。
つまり、同じ債券でも発行元の信用度によってリスクが異なり、発行元のリスクが高いほど債券金利が上昇し、
高いリターンが得られる可能性が出てきます。
最近、日本の10年国債金利が30年ぶりに3.1%まで上昇したというニュースがありましたが、
その一因として、積極財政政策により日本の財政懸念(リスク)が上昇していることが挙げられています。
ちなみに債券の場合には、専門機関(格付機関)が信用等級の格付(AAAなど)をしていますので、これを参考にできます。
不動産(住宅、オフィスビルなど)は、家賃収入や物価上昇による売却益が期待できます。
債券よりは値動きが大きく、売りたいときにすぐ売れない「流動性リスク」もあるため、リスクは中程度といえます。
近年の物価上昇により、都心のマンション価格は平均で1億円を超えるなど高騰していますが、
最近のニュースでは売れ残りや中古価格の下落などが報じられ、潮目の変化が見られます。
また、不動産は各物件の特性(用途、立地、築年数など)によってリスクが異なる特徴があります。
株式は、株式会社に出資することで、配当収入や株価上昇による売却益が期待できます。
企業の成長次第で大きく値上がりする可能性がある反面、景気や業績などによって価格が激しく動くため、3つの中でリスクが最も大きくなります。
キオクシアのように短期間で10倍以上になる場合(その後半値まで下落しましたが)もあれば、反対に価値がほぼゼロになる場合もあります。
では、リスクが怖いときにはどうすれば良いのでしょうか?
「分散投資」と「長期投資」が助けになります。
値動きの異なる資産や発行体(会社)に分散して投資すれば、どれかが下がっても全体への影響を抑えられます。
個人で分散投資をしようとすると、それなりに資金が必要になるため、プロが分散投資をしている「投資信託(注)」に投資するという手もあります。
特に、株価指数に連動して運用するインデックスファンドと呼ばれる投資信託なら、市場全体に投資できるので有力な選択肢となります。
また、自身の投資の時間を長く設定することで、短期的な値動きも平準化することができますし、長期的な視点で投資の時期を分散させれば、
短期的な景気や金融市場の動きによる影響をならすことができます。
(注) 投資信託には、それ自体上場しているものもあり、上場している投資信託をETF、上場不動産投資信託をREITといいます。
リスクをゼロにはできませんが、上手に付き合うことはできます。まずは無理のない少額から、自分に合ったペースで始めてみてはいかがでしょう。
※ 言うまでもないことですが、私を含めた様々な意見は鵜呑みにせず、自己判断で投資を行うようにご注意ください。
