今回は、会社の類型の3回目、皆さんもお馴染みの株式会社、その起源についてです。
株式会社は、近代資本主義の幕開けを告げる画期的なシステムですが、その起源は、1602年オランダ東インド会社とされています。
16世紀から17世紀のヨーロッパ諸国では、アジアの香辛料が金銀に匹敵するほどの価値があり、一獲千金を求めて競うように航海に乗り出しました。
いわゆる大航海時代です。とはいえ、当時の航海は、嵐、海賊、疫病などの危険が伴い、航海が成功する確率は20%程度だったと言われています。
失敗すれば出資者は財産、船員は命を失い、一方で、1回航海が成功すれば莫大な利益が得られる、そんなハイリスク・ハイリターンの貿易構造でした。
そして実際には、1回の航海には莫大な資金が必要であり、リスクも高いため、出資者はなかなか手を出しにくい状況でした。
そこでオランダ政府と商人たちは、複数の航海を継続して行う会社を作り、その資金を多くの人々から少しずつ集めるというアイディアを生み出しました。
これにより、1つの航海が失敗しても他の航海の成功で損失をカバーできるため、これまでの特定の航海への出資と比べると格段にリスクが減りました。
東インド会社が画期的だったのは、株式の発行、永続的な法人格、(間接)有限責任の3点です。
まず、会社は社員(出資者)の権利を表す株式という証明書を発行し、これを持つ人は出資額に応じて配当を貰う権利を持ちました。
次に、航海が終わる毎に解散していたそれまでとは違い、会社は航海の成否にかかわらず、存続し、長期的な視野での経営をするようになりました。
また、出資者の責任の範囲は出資額に限定され、会社が倒産しても出資者は追加的な責任を負う必要はありませんでした。
これらの仕組みにより貴族や商人だけでなく、広く一般市民からも資金を集めることができたことで、東インド会社そしてオランダは世界を席巻します。
そして、多くの人たちが東インド会社の株式を保有することになったことで、人々の間に株式の売買のニーズが生まれます。
当初、東インド会社の株式は商人たちが相対で売買していましたが、情報が共有されず、取引は非常に不便で、不透明でした。
そこで、いつでも自由に公正な価格で取引できる場所として、1611年にアムステルダムに証券取引所が誕生しました。
これにより、いつでも売れるという流動性が高まり、かつ透明性の高い価格情報が共有されることとなり、より株式会社に投資がしやすい環境となりました。
日本では、1873年に設立された第一国立銀行(現在は合併されてみずほ銀行)が最初の株式会社で、1万円札で有名な澁澤栄一が創設しています。
また、会社法規である商法に基づき設立された最初の株式会社は1893年の日本郵船です。こちらは三菱グループの創始者の岩崎弥太郎が設立しました。
本日は、現代の資本主義の礎となる株式会社の起源についてのお話でした。次回は株式会社の概要についてもう少し触れていきたいと思います。
